行動療法とは、心理療法のひとつで、
行動理論(学習理論)に基づいて、問題行動、不適応行動などを
適応的に改善させていく心理治療法の総称の事です。

 

心の病気にかかりやすい人は、恐怖や不安を感じやすい人ともいえます。
つまり、神経が人並み以上に過敏なのですが、
行動療法とは、その感じやすさを取り除く技法です。

 

恐怖や不安は、ストレスを引き起こす最も強い感情といえます。
いわゆる、マイナス思考という感情で、
いやだなぁ、つらいなぁ、うまくいかないかもしれない、
心配だ、無理に決まっている、どうしよう、自分にはできない、
というような、ストレスにつながりやすい気持ちにも、
小さな恐怖や不安が常に隠れているものです。

 

行動療法によってそうした恐怖や不安を取り除き、
適切に行動できるように変えていきます。

 

これは現在の心理療法では、よく用いられる技法で、
パニック障害や不登校などの治療に活用されています。

 

例えば、電車に乗れない人の場合は、

まず駅の改札付近まで行ってみます。中に入る必要はなく、
その場で適当にブラブラして、自分の心に何も不安が起きないのを確認します。

 

後日、今度は改札口の中に入ってみます。ただ入るだけです。
入ってその場で適当にブラブラして、
自分の心に何も不安が起きないのを確認します

 

更に後日、今度はホームにある椅子に座ってみたり、
ホームに立ってみたりして、電車待ちのふりをしてみたりします。

 

更に後日、人が少ない時間帯に各駅停車の電車に一駅だけ乗ってみます。

 

更に後日、人が少ない時間帯に各駅停車の電車に二駅だけ乗ってみます。

 

更に後日、人が少ない時間帯に急行電車で一駅だけ乗ってみます。

 

このように段階的にステップアップしていき、
徐々に免疫力をつけていきます。

 

緊張感の少ない場面から、徐々に不安感をなくしていき、
発作が起こらないことを繰り返し確認しながら、
少しずつ恐怖感を取り除いていく技法です。