東日本大震災の後、地震や津波の恐ろしさが心から離れないと、
多くの方が精神科へ相談に行かれたと聞きました。

 

震災の光景が自分の意思とは無関係に、頭の中によみがえってきて、
恐怖感と不安感でいっぱいになってしまう。

 

家の近くを大型トラックが通るだけで、その振動を感じると
心臓が締めつけられるように苦しくなる。

 

エレベーターのような狭い空間に入ると、体が震えて息苦しくなり、
汗が吹き出し、いても立ってもいられなくなる。

 

このようなパニック障害と同じような症状に苦しんでいる方も
多くいらっしゃるようです。

 

これは、PTSD(心的外傷後ストレス症候群)と呼ばれる心の病気です。

 

過去に大きなストレスを体験すると、そのストレスが潜在意識に残ってしまい、
普段は何事もなくても、何かのきっかけで、その意識が呼び起こされると、
激しいストレス反応が身体に起こります。

 

こうした身体の反応、発作というのは突然襲ってきます。

 

「東日本大震災のような地震、津波は1000年に一度あるかないかの天災で、
既に終わった過去の出来事、心配しなくてもいいです。」
と説明してもなかなか心の底から受け入れてはくれません。

 

顕在意識で理解できていても、潜在意識の中では恐怖や不安が残っているので、
自分ではどうする事もできないんです。

 

しかし、同じように震災を体験した人の中でも、
心のバランスを崩してしまった人と、そうならずに済んだ人がいます。

 

その違いというのはどこから来るのでしょうか?

 

簡単に説明すると、
ストレスとなる原因(この場合は震災)をどのように受け止めているか、という
受け止め方の違いです。

 

人それぞれに持っている物事の感じ方、考え方の違いで
同じストレスを受けたとしても、その大きさは各個人により違っているという事です。

 

心のバランスを崩してしまう人というのは、
ストレスを自分の許容範囲以上に大きくして感じてしまう人です。

 

心のバランスを崩さない人というのは、
ストレスを自分の許容範囲以内に小さくして捉える事のできる人です。