どんなストレスにも耐えられる屈強な心を作る、
それが、心のたくましさだと多くの人が誤解しています。

 

ストレスとは、私たちの心身に生じるひずみです。
ストレスを説明する時に、よく用いられるのがゴムボールの例えです。

 

ゴムボールをギュッと握ると空気が圧縮され、
丸いゴムボールがひずみます。

 

ボール内部は圧力が高くなり、もしゴムに弱いところがあると、
そこが破れてしまいます。
そして、ギュッと握った時、そのボールに生じるひずみがストレスです。

 

たくましい心とは、ゴムボールをギュッと握った時に、
どんなに強く握られたとしても、決してひずむ事のない、
鋼鉄のような強い素材のゴムを手に入れることではありません。

 

外からの刺激に対して、一切反応しない人間味のない心とは違います。

 

たくましい心とは、ゆとりのある心、
別の言い方をすると、幅の広い柔軟性のある心です。

 

こうした心は、ストレスを全く受け付けない心という意味ではありません。
悲しみや怒りを感じない、喜怒哀楽の少ない、無感動な心ではありません。

 

ストレスを感じたとしても、
すぐに平常心に戻る事ができる柔軟で、しなやかな心です。
無理のない、自然な状態に戻そうとする心のホメオスタシスが
活き活きと働いている状態のことです。