私たち人間には、顕在意識潜在意識という2つの心が備わっています。

 

先の記事では、上空100メートルにある幅50センチの板の例え話をしましたが、
この時私たちの心の中では、

 

「この板は渡れるはずだ」と考え、
渡ろうとする意志を持つ心があります。
これが顕在意識に相当します。

 

しかし、それに反して、
「怖くて渡れない」「落ちるかもしれない」
と感じてしまう別の心があります。
これが潜在意識です。

 

もし人間の心が顕在意識だけだったら、どうなるでしょう。
つまり、自分が望んだとおりに、何でも行動できる心だけを
持っていたらどうなるでしょう。

 

これはある意味で、とても素晴らしいといえるでしょう。
自分の望みどおりに何でも行動できます。

 

明るい気分になりたければ明るくなれます。
嫌な仕事でも喜んで取り組めます。
どんなに疲れていても、働きたいと思えば、バリバリ働けます。

自分の理想とする人間になることもできるかもしれません。

 

先の例で挙げた、上空100メートルにある板だって、
「渡ろう」と顕在意識で決めてしまえば、
スイスイ渡っていけるでしょう。

 

しかし、こうしたことは非常に危険でもあります。

 

疲労があってもバリバリ働き続けたら、
身体の方がもたず、いずれ過労で倒れてしまうでしょう。

 

上空100メートルの板だって、落ちてしまえば絶対に助かりません。

 

このように自分の顕在意識だけで物事を判断し、
行動する事は非常に危険なことです。

 

そうした危険を避けることが、潜在意識の一番大きな仕事です。

 

自分の表面的な意志に任せていると
生命の危機に及んでしまう事もあるからです。

 

潜在意識というのは、自分の生命を守るという防御本能に直結しているので、
非常に強い影響力を持っています。

 

心の活動に占める割合も、顕在意識が5~10%であるのに対して、
潜在意識は90~95%も占めていると言われています。

 

ですので、上空100メートルの板の上を、
「渡ろう」と顕在意識で思ったとしても、
「危険だ」と潜在意識が思ってしまうので、
足がすくんで動けなくなってしまうんです。