ストレスをコントロールする為には、
自分の個性や欠点を知っておくことも必要です。

 

自分の性格を知って、
自分はどんなストレスに弱いのか、
どんな点に注意すればよいのか、
を把握することに努めましょう。

 

そこで今回は、クロニンジャーというアメリカの精神科医が提唱した
7因子モデル」をご紹介します。

「7因子モデル」とは、人間の性格を7つの要素に分けて説明する理論です。

概要を説明すると、
人間の性格は、
遺伝的な要因が深く関与している4つの「気質因子」と
環境の影響が大きいとされる3つの「性格因子」から成り、
計7つの因子によって個性や人格が造られているという考え方です。

では、その7つの因子とはどういったものかというと、

【気質因子】
1.新奇性追求
2.損害回避
3.報酬依存
4.固執

【性格因子】
5.自己志向
6.協調性
7.自己超越

というように分かれています。

 

基本的には気質因子については、遺伝的な要因ですので変えることは出来ません。
また、性格因子については、生まれたあとで形成される部分ですので、
ある程度は自分の考えで修正することはできます。

 

では、ひとつずつ簡単に見ていきましょう。

1.新奇性追求

探究心や衝動性などをあらわす要素。

新奇性追求が高い人は、好奇心が旺盛で積極的です。
こうした要素を多く持っている人は、変化のない環境がストレスになるため、
適度な刺激のある環境を選んだ方が良いでしょう。

逆に、新奇性追求が低い人は、思慮深くて、行動も計画的です。
このタイプの人は、考え方が頑固で、刺激の多い環境はストレスになります。

 

2.損害回避

用心深さや心配性などをあらわす要素。

損害回避が高い人は、慎重で堅実ですが、緊張しやすく、
先のことを思い煩う傾向になります。

物の見方も悲観的になりがちで、それがストレスを生む元にもなります。

ストレスを溜め込みやすいという点では、
最もうつ病になりやすいタイプと言えます。

逆に、損失回避が低い人は、楽観的な性格で、
警戒心がなさ過ぎて失敗する事もあります。

また、自分のストレスよりも、他人にストレスを与えないように
気をつけた方が良い場合もあります。

 

3.報酬依存

情緒性。人にほめられたい、認められたいとする要素。

報酬依存が高い人は、人付き合いが好きですが、
「他人認められたい」とばかり考えていると、
気持ちが不安定になっていきます。

このタイプの人は、自分自身の価値観をしっかり持つことが
ストレス対策になります。

逆に、報酬依存が低い人は、冷静で現実的です。
周りからも「冷たい人」「クールな人」とみられがちです。

しかし、これもひとつの個性ですので、
無理に「温かい人」を演じるのではなく、
自分に正直に生きることがストレスを溜めない方法でもあります。

 

4.固執

物事にどれだけ固執するかという要素。

固執が高い人は、忍耐力のある努力家ですが、
その分、こだわりが強くなりすぎる傾向もあり、
その妥協を許さない個性がストレスとなって現れてきます。

逆に、固執が低い人は、物事に対してあまりこだわりが無く、
状況に応じて臨機応変に対応できる事もありますが、
諦めが早すぎるという傾向も見られます。

 

5.自己志向

自尊心や自分自身に対する信頼感の要素。

自己志向が高い人は、責任感があり、自分の考えを実現していくための
行動力も持ち合わせています。

逆に、自己志向が低い人は、他人に合わせる傾向にあり、
責任感や自尊心も低く、他人に依存しすぎて、自己奮起ができません。

 

6.協調性

他人との関連性をどのように持つかという要素。

協調性が高い人は、他人を大切に思う気持ちが強く、
人に対して寛容で、同情的、仲良くやっていきたいという傾向があります。

逆に、協調性が低い人は、他人に対して無関心で、
孤立的に振舞う傾向にあります。

 

7.自己超越

精神世界など、現実を超えた自然観や宇宙観などの要素。

自分と世界とのつながりをどのように捉えるかという部分で、
自己超越が高いと、他人の為に奉仕しようと思ったり、
自分に起こった出来事に対して必然性や意味を見出していきます。

逆に、自己超越が低いと、自分の利益ばかりを追求して、
自分の行動の意味には、全く関心を持たない傾向にあります。

 

以上です。

 

人間の性格の半分は先天的、遺伝的に決まっていて
残りの半分も育った環境によって決まっている部分が大きいです。
ですので、性格を変えようとしても容易に変えることは出来ません。
性格は
「変えよう」
とするよりも、
「自分の性格を正しく認識して、それにあった生き方をしよう」
と考えた方が妥当といえます。

 

上記の因子に自分の性格を当てはめて、
自分の性格の傾向を知り、それを「受け入れる」ようにしましょう。

 

そして、そうした性格にあったストレスの対処法を
見つけるようにしましょう。