精神療法という言葉だけを聞くと、何か特別な技術や手法を用いて
うつ病を治療する、というイメージを持つかもしれませんが、
決して特別なものではありません。
精神療法には、支持療法と特殊精神療法の2つに大別され、
うつ病の治療には欠かす事のできないものです。
支持療法というのは、いわゆるカウンセリングの事で、
治療を施す側の人と患者さんとのコミュニケーションの事を指し、
病気や症状、その治療経過の説明、薬の必要性、
薬の副作用の説明などをして、うつ病という病気をよく理解していただき、
患者さんのうつ病に対する不安、治療に対する不安を
軽減することを目的としています。
心理療法という言葉で表されることもあります。
診察中、医師は本人の訴えを聞き、病状を把握し、理解し、
患者さんと共感し、休息を取るように助言したり、
必ずよくなることを伝えます。
基本的には、患者さん本人の話を批判したり、
訂正したりすることはありません。
患者さんの私的なことにも、あまり触れないようにしていますが、
患者さんが自発的にプライベートについて話す場合には、
共感をもって話を聞くようになります。
このように、患者さんをサポート(支持)することで、
心理的な問題の解消をはかり、回復を目指すのが支持療法の役割となります。