うつ病治療の為、休養している状態から、職場復帰する際には、
できることなら予め、模擬的な出勤練習をしてみた方がよいでしょう。

 

自分が職場に復帰したときの状況を想像してみて、
おそらく大丈夫だろう
という判断をしたとしても、いざ出勤してみると、
心理的な不安感や緊張感から体調を崩してしまう事も有り得ます。

 

ですので、職場復帰の1ヵ月ほど前を目安として、
模擬的な出勤練習の日程を設定して、
そのとおりに実行してみるようにしましょう。

 

たとえば、
最初の1週間は、出勤する時と同じ時間帯に朝起きるようにして、
通常の出勤の時と同じようにスーツに着替えて
駅の改札まで行く練習をします。

 

これを一週間繰り返します。
そうした際に、特に精神的に、肉体的につらいと感じなければ、
次の段階として、
電車に乗って途中の駅まで行ってみる、という練習に移ります。

 

そこで無理がなければ、徐々に距離を伸ばしていき、
直前の2週間は、職場の最寄り駅まで行くようにしてみます。

 

時間帯によっては、会社仲間と偶然出会ってしまって
気まずい思いをするかもしれませんので、
多少時間をずらすなど工夫した方がよいかもしれません。

 

こういうやり方で、少しずつ段階を踏んで、
実際の出勤状況へと近づけていきます。

 

これは行動療法と呼ばれる心理療法のひとつで、
少しずつ場に慣れさせていき、適応的に改善させていく手法です。

 

うつ病などの心の病気にかかる人には、
神経が人並み以上に過敏な人も多く、
こうした行動療法で、不安感を取り除くことも必要になってきます。

 

こうした模擬練習をして、最後まで無理なく行うことができた人は
たいていは問題なく復職する事ができるでしょう。