うつ病になってしまった人には、
一人暮らしをしていたり、寮で生活していたり、と
それぞれの生活環境があると思いますが、
休む環境としては、できれば実家に戻って親元で過ごす事が
本人にとって一番良いといえます。
つまり、家族の関係の中に戻る、という事が
精神的にも安心して過ごす事が出来る環境といえます。
これは、結婚している人でも、独身の人でも同じです。
特に、主婦の場合は、家が職場みたいなものですので、
実家に戻って休む事ができるかどうかが
治療の効果に大きく差が出てくる可能性があります。
実家に戻って生活するという事は、
単に親に甘えられる、という状況だけでなく、
「うつ病である事を親に隠す」というストレスから
解放されることも意味します。
うつ病の患者さんの中には、「親には内緒にしていたい」と
思っている人が多いです。
しかし、そうした隠す行為が新たなストレスとなり、
回復を遅らせてしまう原因にもなってしまいます。
実家に戻り、親に事情を全て話し、親元で安心して休息できた人は
「うつ病になってしまった自分を見て、親は失望するのではないか」
という不安を乗り越える事ができています。
こうした経験は、今後会社に復帰した場合も、
「職場の人たちが、うつ病になった自分をどう受け止めるのか」
という不安に対しても、案外軽く乗り越える事ができるでしょう。
うつ病になり、回復段階にある不十分な自分を他人の目にさらすのは
ある意味とても勇気の要る事で、ストレスの元になりかねません。
「陰で悪く言われているのでは?」
「仕事ができないと思われているのでは?」
という余計な思いが社会復帰を遅らせる高いハードルになる場合があります。
そうしたハードルを低くする為にも
実家に戻り、親に全てをさらけ出して生活する事が必要です。