最近はデスクワークというと、
ほとんどがパソコンに向かっての作業となっていますね。

 

特にIT業界などの、システムエンジニアやプログラマーといわれる人は
一日中パソコンの画面ばかり見ての仕事です。

 

外出する事もなく、体を動かす事もなく、
黙々と手だけを動かしている作業です。

 

こうした就業スタイルは、脳科学の視点からは多くの問題があります。

 

まずは、体を動かさないという事。
こうした業界では、どうしても長時間のデスクワークになりがちですので、
太陽の光を浴びることの多い外回りの営業マンや、
工事現場で働く人、宅配便の配達人、スポーツ選手などと比較すると、
どうしても運動不足になり、セロトニン神経が弱ってしまします。

 

そして、もう1つ問題なのが、仕事相手が人間ではない、ということです。

 

システムエンジニアなどは、一日中ひとりでコンピュータの画面と向かいあい、
コンピュータ言語で仕事をします。

 

社外の人間とのコミュニケーションも最近は電話ですることよりも
メールで行われることの方が多いでしょう。

 

こうした環境では、ノルアドレナリン神経だけが活発に反応する事になります。

 

ノルアドレナリン自体は、特に悪者というわけではなく、
正常な分泌量ならば、脳に適度な緊張をもたらし、
仕事をテキパキと進めるようにしてくれます。

 

しかし、過度のストレスにより、ノルアドレナリンが過剰に分泌されてしまうと、
脳の興奮が制御できなくなってしまいます。

 

こうしたノルアドレナリンによる脳の異常興奮は、
うつ病をはじめ、不安神経症やパニック障害、対人恐怖症などの
さまざまな精神疾患をもたらします。

 

IT業界にうつ病の人が多いのも
こうしたセロトニン神経の脆弱、ノルアドレナリン神経の過剰興奮
という面から考えると、とても納得できます。