一般的にうつ病といっても、幾つかの種類があり、
精神医学的に分類すると3つに分けることができます。
第一に、「適応障害」
第二に、「単極性うつ病」
第三に、「双極性感情障害」
と分けることができ、この3つに加えて、最近では「双極Ⅱ型」と
呼ばれる疾患があることも指摘されています。
現代社会で問題になっているのは、この内の2番目の単極性うつ病で、
これが典型的なうつ病として定義されています。
簡単に説明すると、
長い時間をかけて、過度なストレスがかかり続けることにより、
脳に障害が起きてしまい、発症するものです。
脳の障害といっても、このブログで何度も説明しているように、
何か物理的な損傷を受けたという意味ではなく、
セロトニンの減少という脳の機能の一時的な減退の事です。
この単極性うつ病以外にも、1番目の適応障害でも、
過度なストレスがかかる事で、気分が沈むなどのうつ的な反応を示します。
しかし、単極性うつ病と大きく異なる点は、
ストレスの要因となっているものを取り除けば、
症状は速やかに改善するという点です。
ストレスに対する反応は、しばしばゴムボールに例えられます。
ゴムボールを手で握るなどして、圧力をかければ、
ゴムボールはへこんで歪んだ状態になります。
このようにゴムボールが、へこんだ状態がストレス状態といえます。
しかし通常ならば、その握った手を離せば、
ゴムボールは元の丸い状態に戻るはずです。
これと同じで、適応障害とは、過度なストレスにより
心身に負荷がかかった状態のことを指すのですが、
その要因となっているストレスをなくしてしまえば、
(圧力をかけている手を離せば)何事もなかったように元に戻ってくれます。
しかし、ゴムボールは長期にわたり圧力をかけ続ければ、
つまり、手ではなく重たい鉄板などを乗せ続ければ、
そのうち、中の空気が抜けフニャフニャになり、
元に戻らなくなってしまいます。
元に戻すには、ゴムボールの中に空気を入れるなどして、
それなりに対処しなければいけません。
この状態が単極性うつ病にあたります。
つまり、要因となっているストレスを取り除くだけでは、元には戻らず、
きちんと治療を施さなければならない状態の事です。