心理療法が扱うのは、心の病気、症状です。
心が原因で起こる病気には、
身体面に強く症状が出てくる自律神経失調症と、
精神面に強く症状が出てくる神経症とがありますが、
どちらも心理療法で扱う病気です。
これらとは別に、心身症と呼ばれる病気のグループもありますが、
これらは心が原因ではありますが、
体の組織や器官に異常が出てくる病気なので、
医学的な治療が必要となります。
ですので、心を扱う心理療法だけでは治せません。
しかし、その症状を軽くしたり、悪化を防いだり、また再発を防止するには
心理療法が役に立ちます。
また、病気とはいえませんが、心の影響が強く出ている症状に
あがり症、赤面症、対人恐怖症、吃音(どもり)などがありますが、
こうした症状も心理療法で治療する事が出来ます。
ただし治せないケースもあります。
自律神経失調症という診断がでたとしても、
心因性ではないものは、心理療法では対応する事が出来ません。
例えば、交通事故のムチ打ちで、自律神経にダメージを被ったり、
何らかの手術の後遺症で自律神経が損傷を受けてしまい、
失調をきたしている場合は、心理療法で直すことはできません。