誰にだって、
「何をやっても楽しくない」という虚無感や
「私には何の能力もない」という無力感を
持ってしまう事があります。
しかし、長い期間そうした感情に支配されてしまうと、
「何をやってもどうせうまくいくはずがない」
という悲観的な予測ばかりが頭をよぎるようになります。
特に、うつ病になってしまうと、ちょっと躓いただけでも、
「やっぱり何もできない」
と、早々に行動を止めてしまったり、最初から
「どうせ何をやっても変わらない」
と、始める前から諦めてしまう傾向にあります。
しかし、そんな自分勝手な予測で行動を制限してしまっては本当に
「何もできない」状態になってしまいます。
うつ病の人は、
「何もできない」のが問題なのではなくて、
「何もしない」のが問題なんですね。
うつ病にもいろんなタイプがありますが、特に引きこもりがちのうつ病の方は、
何かしらの行動をおこすようにしたいものです。
行動すれば、たとえ失敗したとしても、
その結果から、どこが問題だったのか分かる事もあります。
それまでの漠然とした不安や抑うつ感が
行動する事によって具体的になって対処方法が見つかったり、
実際、行動してみたら、案外簡単にできたりする事も多いです。
行動する前段階から、問題がハッキリしない段階から
適切な対処方法を見つける事は困難ですから、
まずは、行動する事自体に意味があると思いたいですね。
何もしなうちから「無駄だ」なんて自分勝手に決めつけないようにしたいです。
しかし、どんな行動でも良いわけではありません。
家族と相談して、自分にできる範囲内の行動から始める事が大切です。
例えば、長い間、家に引きこもっていたうつ病の方が、
「スポーツをする」という行動を計画しても実行するのは困難でしょう。
そのような人は、まず、
「散歩に行く」「買い物に行く」
といった日常的な行動から始めていき、
徐々にレベルを上げていったほうが無理なく進められるでしょう。
先ほども書きましたが、うつ病の人は、
「何もできない」のが問題なのではなくて、
「何もしない」のが問題なんですね。
ですので、どんな簡単な事でも「何かをして」
それが「できた」と実感する事が大切です。
その際、行動を通して充実感や喜びを味わえれば、
より意欲的に次の行動も取り組めるでしょう。
それを繰り返していけば、
「何もできない」「何も変わらない」
といった自分勝手な思い込みを修正する事ができるようになります。