誰だって心に問題を抱えている時には
視野が狭くなってしまうものです。
そして、問題点を多角的に分析する事ができずに、
一方的に思い詰めてしまいがちになります。
特に、うつ病の症状が出ている人は、
自分の抱えている問題点にフォーカスせずに、
自分の心の状態だけにフォーカスする傾向があるので、
不安という気持ちに押し流されて、
「憂鬱で仕方がない」
「どうしようもない」
という思いだけを頭に浮かべ、それが悪化すると、
「これ以上仕事を続けられない」
「生きている資格はない」
と自分勝手に思い込んでしまいます。
しかし、このような不安な気持ちを、
「憂鬱」「つらい」
といった抽象的な言葉を使って、頭の中で繰り返しているだけでは
自分にとって何が問題なのかが分からないですし、
具体的な対応策も見つからないですし、
ただ堂々巡りをしているだけで、
いつまでたっても苦しみから抜け出す事ができません。
そのような時には、問題点を整理して、
自分にとって何がマイナス材料となっているのか、
自分にとって何が不安材料の根源となっているのか、
を調べてみる事が大切です。
憂うつの問題点を具体的に紙に書きだす
自分が置かれている問題点を整理する為には、
まず最初に、自分が悩んでいる事をノートなどに書き出していきます。
そしてその際には、
心の問題と生活の問題とに分けて考えるようにしましょう。
心の問題とは、いわゆる
「気分が落ち込む」
「何をするにも意欲が湧かない」
「自分はダメな人間だと思う」
といった事です。
こうした心の状態を書き出し、そのあとで
どんな時に気分が落ち込むのか、
どんな事に意欲が湧かないのか、
どういった点で自分がダメな人間だと思うのか、
をできるだけ具体的に書き出し、問題点を絞り込んでいきましょう。
また、生活の問題とは、いわゆる
「眠れない」
「食欲がない」
「仕事がうまくいかない」
「家事をやりたくない」
といった事です。
こうした生活の状態を書き出し、それに対して
できるだけ具体的に問題点を絞り込んでいきましょう。
たとえば、「仕事がうまくいかない」なら、
その問題点を具体的に絞り込んでいきます。
「仕事がうまくいかない」にも人それぞれ理由が違います。
「ケアレスミスが多い」
「プレゼンで失敗した」
「対人関係が苦手」
「仕事のスピードが遅い」
等々、より細分化して問題点を具体的に絞り込む事で
その解決策も見えやすくなります。
心に問題があり視野が狭くなってしまうと、
「仕事がうまくいかない」という抽象的なレベルで止まってしまいます。
そこで、もし「上司に怒られ」たという経験をしてしまうと、
なぜ怒られたのかを具体的に考える事をせずに、
「上司に怒られた」という事実だけを問題視して、
「自分は何をやってもダメな人間だ」
「自分は社会人失格だ」
となってしまいます。
何らかの問題にぶつかった時には、事実を細分化するようにすれば、
問題の根っこの部分や解説の糸口も見えやすくなります。
「憂鬱」「不安」といった抽象的な言葉を
頭の中で巡らせても解決策は見つかりません。
問題点を洗い出して、整理して、細分化していけば、
「憂鬱」「不安」といった漠然とした気持ちから解放される可能性は高くなります。