日常の社会生活の中では、家族や会社の人間関係において
「自分はこうしたいのに、このように思っているのに、
相手に分かってもらえない」
と感じる事は頻繁に起きます。
このような相手とのズレを放置して、
自分の中で不満を抑え込んでいると、
うつ病になってしまう危険性が増してきます。
例えば、夫婦間のズレとしては、
妻は仕事をしたいと思っているのに対して、
夫は専業主婦を望んでいる場合などはよくあるケースでしょう。
この場合、妻は自分の希望を抑え込んだままでいると、
精神的な負担が大きくなりますので、
できるだけ夫とコミュニケーションをとった方が良いです。
具体的には、夫と妻との間に、
“妻という役割” に対しての期待のズレが生じている事になりますので、
実際に言葉に出して、確認する事が大切です。
妻は、
「夫は私に専業主婦でいてほしいと期待している」
と考えているわけですが、その根拠はどこにあるのでしょうか?
結婚するときに夫にそのように言われたんでしょうか?
どうしても専業でなくてはいけない明確な理由があるのでしょうか?
それぞれの家庭環境で事情は異なってきますし、
時間が経過するにつれて、家庭の事情も変わってきます。
もしかしたら、結婚するときに夫が専業主婦を望むと言ったかもしれませんが、
実際に夫婦生活を営み、家庭環境が変わった今でも、
その時と同様に専業主婦を望んでいるかどうかは分かりません。
夫の考えが変わる事もありますので、
まず口に出して夫に確認する事が必要です。
人と接する時には、私たちは無意識のうちに
「相手はこう思っているだろう」
と自分勝手な思い込みをしているケースが多々あります。
特に日本人の場合は、相手を察する、阿吽(あうん)の呼吸のようなもので
コミュニケーションを省略するクセがあります。
それが良い方向へ作用する場合もありますが、
時には見当違いになってしまう事もあります。
もしかしたら、自分の中で思い込みを作ってしまっている可能性もありますので、
期待のズレが実際にあるのかどうか、相手とキチンと話し合う事が必要です。
そして、もし相手との期待のズレが明確になったら、そのまま放置せずに
問題解決を図れるように軌道修正の話し合いを続けましょう。
ただ単に、「働きたい」と言うだけでは、
夫は納得しないかもしれません。
なぜ働きたいのか、働く事のメリットとデメリットは何があるのか、
そして、デメリットにはどのように対処していけば良いのか、
と言った点からも話し合いましょう。
時には、いくら話し合っても合意に達しない場合もありますが、
お互いの気持ちを理解し、ズレを共通認識できれば、
日常生活でも相手に対してさまざまな配慮をする事ができますし、
折に触れて話し合いを続ける事もできるでしょう。
こうしたコミュニケーションがうつ病の予防にも役立ちます。