家族でも仕事でも、そこでの人間対人間の関係においては、
お互いに相手に対して何らかの役割を期待しているものです。
しかし、自分が相手に対して期待しているものと、
相手自身が持っている役割の認識との間にズレが生じている場合には、
人間関係上の不和、対立が起きている状態と言えます。
例えば、
夫は妻に専業主婦という役割を期待しているのに対して、
妻自身は仕事もしたいと考えていた場合は、
“妻”という役割についてのズレが生じている状態となります。
もし、このようなズレが生じていても、
お互いを信頼し、十分に話し合う事で改善し、
そのズレを解消していくように努力できれば問題はありません。
しかし、中には、
「どうせ話し合っても分かってもらえない」
「余計な事を言うと相手に嫌われてしまう」
などと思って、コミュニケーションを放棄してしまう人もいます。
そうなると、ズレがどんどん大きくなってしまいます。
そして、
「自分の力ではどうする事もできない」
「こうなってしまったのは自分の責任だ」
というように悪い方向へ考えててしまい、
無力感や自責の念が強まり、それが元でうつ病になってしまう事もあります。
特に問題なのは、「重要な他者」との人間関係です。
この重要な他者との役割期待のズレは、うつ病の原因になりやすいので、
できるだけ話し合いをして、お互いのズレを少なくしておく必要があります。
もしも、期待のズレが生じている場合には、
- どのような問題でズレが生じているのか
- ズレのきっかけは何だったのか
- 相手は今のズレに対してどのように考えているのか
- 今の関係性をどのように変えればよいのか
- ズレを解消するには、どんな方法をとる事ができるのか
などを自分自身で、そして相手を交えて話し合ってきましょう。
そして、ズレ、不和による問題がハッキリしたら
それを解消するための様々な選択肢を用意して、
その上で実際にどのように行動していくかを決めるようにしましょう。