抗うつ薬というのは、最初は少量から服用していき、
患者さんの容態に特に問題がなければ、
徐々に適切な量まで増やしていき、体に慣れさせていきます。
そして、適量を服用しながら、症状が改善していくのを確認し、
半年以上経過してからゆっくり薬の量を減らしていく、
という用い方をするのが一般的です。
このあたりの薬の量の加減というのは、
担当する医師によって違ってきますし、
また、患者さんのうつ病の程度によっても違ってくるものですので、
一概には言えませんが、2週間から1か月くらいかけて、
徐々に薬に慣れさせていく事が多いようです。
その際、途中で副作用が出る事もありますが、
耐えられる程度ならそのまま薬を増量していきます。
多少の副作用があったとしても、
必要量の抗うつ薬を服用できる状態にまで持っていき、
少しでも早くうつ状態を改善させる事の方が重要、
と判断される場合が多いです。
抗うつ薬は飲む量を守らないと効果が得にくい
患者さんによっては、副作用を恐れて、
医師の指示よりも少な目に服用する人もいるようですが、
それではいつまでたっても症状は改善しません。
抗うつ薬というのは、その成分が一定の血中濃度を保つことで、
初めて効果が現れる薬です。
ですので、自分勝手に服用する量を減らしてしまっては、
血液中の濃度が低いままになってしまい、
十分な効果を得る事ができなくなります。
つまり、なるべく早く症状を改善させるには、
指示された量をキチンと服用しなければいけません。
また、途中で薬の服用を止めてしまう人もいるようですが、
一度薬をストップすると効果が全くなくなってしまい、
また最初の少ない量からやり直さなければいけなくなります。
先に、抗うつ薬は血中濃度を保つことで効果が現れると書きました。
つまり、服用を止めると、抗うつ薬の血中濃度がゼロとなってしまい、
再開するには、副作用を考え再び少量から始める事になってしまい、
それまでの努力が無駄になってしまうんですね。
ですので、一旦服用を始めたら、途中で止めないようにしましょう。
また逆に、効果が現れないからといって、
勝手に服用量を増やすのも危険です。
抗うつ薬は量が多過ぎると、心臓に負担がかかる薬でもあります。
安全面や副作用の問題、及び薬の効果や症状の改善を天秤にかけた場合、
最も良い方法は、医師に指示に従ってキチンと服用する事となります。