過去の記事では、SSRIの服用を勝手に止めた場合の
中止後発現症状について書きましたが、
それ以外にも、十分な治療期間を経ないで、
SSRIの服用を止めた場合には、うつ病が再発してしまうケースもあります。
確かに、しばらく薬が服用された状態が継続していると、
その後、薬を止めたとしても、神経伝達物質による信号のやり取りは
しばらくは継続する、という状況も確認されています。
つまり、一定期間治療すれば、再発が減り、
そこから薬を止めていっても大丈夫という事もちろんあります。
しかし、この「薬を止めてもいい」というタイミングがどこなのかは、
医者であっても、なかなか見極めが難しい問題です。
ましてや、患者本人が、
「もうだいぶん良くなったから、薬の服用は止めてもいいだろう」
と勝手に判断してしまうと、再発のリスクが高まる恐れがあります。
ですので、自己判断による投薬中止は避けなければいけません。
実際にうつ病治療の現場での統計によると、
治療をはじめてから、2,3年は再発のリスクがあるということらしいです。
その意味では、仕事などに復帰した後でも、
継続的に服用を続けていくことが必要といえます。
ただし、患者の立場としては、
いつまで薬を飲み続けなければいけないのか、
不安になってしまうでしょう。
ですので、治療過程において、今自分がどの位置にいるのか、
医師からきちんと説明を受けておく事も、とても大切な事になります。