うつ病治療の特徴の一つに、
抗うつ薬の量とうつ病の症状の度合いは、
必ずしも一致しないという点が挙げられます。
例えば、熱が出た時には、熱が下がると解熱剤の量を減らしますが、
うつ病の場合は、症状が軽くなってもすぐに量を減らしたりはしません。
逆に少ない量を飲み続けると、症状が慢性化する恐れもあります。
そして、多く飲めば症状の回復が早くなるという訳でもありません。
ですので、たとえ症状が回復してきても
自分の判断で勝手に薬の量を減らしたりしないようにしましょう。
あくまでも薬の量は担当医と相談の上で決めます。
抗うつ薬の服用を始めると、大抵は1~3週間ほどで、
不眠や不安感、焦燥感などが和らぎます。
飲み始めた直後から副作用が出る事もありますが、
1~2週間で軽減し、薬の効果が表れてくるのが通常の流れです。
そのまま飲み続けると2ヶ月ほどでほぼ回復することも多く、
職場復帰や復学なども医師と相談の上で可能となることもあります。
しかし、その後もしばらくは再発防止のために、
抗うつ薬は飲み続けることになる場合が多いので、各人の症状にもよりますが、
服用期間はだいたい1年ほどかかると考えておいた方がいいと思います。