風邪を引いて咳が出たり熱っぽくなったり、
胃腸の調子が悪くなって胃もたれがするような
一般的な病気とは違って、
うつ病は、なかなか「病気」という発想になりにくいです。
その為、気分が落ち込んでいる、といううつ病の初期症状の人は、
「やる気が出ないのは自分が怠けたいと思っているからだ」
「だから、もっと気を引き締めて、やる気を出さなければ」
と自分を追い込み、
それによってますますストレスを溜め込んでいくことになります。
うつ病とは、ストレスが溜まって心が限界にまで達している状態
といえますから、そこに更なるストレスをかけてしまうと、
ますますうつ病の症状が重くなるという悪循環に陥ってしまいます。
そうなる前に早めに対策を立てる必要があるのですが、
うつ病になってしまう人というのは、
性格的に頑固だったり、真面目だったりする人が多いので、
「うつ病は病気のうちに入らない」
「時間が経てばなんとかなるだろう」
と誤った考えを持ってしまう場合もあります。
しかし、うつ病はれっきとした病気であり、
治療法もある程度確立されていますので、
ひとりで頑張ろうとせずに、
「自分はうつ病という病気なんだ」
と真剣に受け止め、早期に対策を立てることが克服の第一歩といえます。
また、本人だけでなく、家族や職場の人なども
やる気のなさ、気分の落ち込みを “怠慢” と見ている事も少なくありません。
そして、それによって、人間関係がこじれてしまうケースもあります。
このようなトラブル自体も大きなストレスとなり、
うつ病を悪化させる原因にもなっていきます。
その場合、病院へ行ってうつ病と診断されることは、
自分が”怠慢”でないことの証明にもなり、
不要な人間関係の摩擦を防ぐ事にもつながります。
ですので、自分の為、家族の為、余計な誤解を生まない為にも
早期に治療を開始することをお勧めします。