うつ病になってしまうと、余計な感情が頭に浮かんできて、
不眠症になったり、情緒不安定になったりします。

 

そして、これらの症状は、
脳内で起こるセロトニンの減少、及びノルアドレナリンの活性化により
引き起こされるものです。

 

セロトニンには、ノルアドレナリンなどの他の神経伝達物質の
活動をコントロールし、精神を安定させる機能があります。

 

しかし、うつ病になると、
こうしたセロトニンの働きが弱まってしまい、
ノルアドレナリンの活動を抑制できなくなってしまいます。

 

ノルアドレナリンには、感情を活性化させる機能があり、
神経を興奮させる役割があります。

 

つまり、セロトニンの働きが弱まる事で、
普段は抑えられている感情や思考、
自分は役に立たない人間だ
自分なんていなくなってしまえばいい
という余計な感情が表に出やすくなってしまいます。

 

更に、ノルアドレナリンが活性化している状態だと、
そうした非現実的な思考もどんどん表に出ようとする力が
強くなっていき、自殺願望なども考えてしまうようになります。

 

うつ病の初期と回復期においては、
自殺リスクが高まるとよく言われます。

 

初期の場合だと、ノルアドレナリンがまだ活動しているので、
そうした非現実的な事が表に出やすく、
また、回復期の場合は、ノルアドレナリンの機能が
修復されて活発に働き出すことにより、
やはり、さまざまな感情が表に出やすくなり、
その過程でも自殺願望が高まる危険性があります。