神経伝達物質には、主なものに、
「セロトニン」「ドーパミン」「アドレナリン」「ノルアドレナリン」
などがあります。
そして、このうち、うつ病に関係している脳内のメカニズムとしては、
セロトニンという神経伝達物質が働いている細胞のネットワークと、
ノルアドレナリンという神経伝達物質が働いている細胞のネットワークがあります。
セロトニンに関しては、このブログで何度も取り上げていますが、
簡単に説明すると、精神を安定させる役割があります。
他の精神伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンなどの活動を
コントロールし、精神を安定させる為に作用します。
それに対して、ノルアドレナリンは、
感情や思考を活性化する役割があります。
神経を興奮させる働きもあり、強い覚醒力、集中力などをもたらします。
元々は他の動物などの敵と出会った時に、その敵から身を守る為に、
交感神経を活性化させ、心拍数や血圧を上げて、
敵に対抗したり、逃げたりできるようにする役割の為の機能です。
現代社会においては、過度なストレスを受けたりした場合に、
同じような仕組みが体の中で起こります。
うつ病になってしまうと、何事にも無関心になり、やる気が起きなくなり、
心のエネルギーが低下した状態になっています。
心のエネルギーが低下してしまうと、
脳内では、それを補おうとして、ノルアドレナリンが活性化します。
つまり、心のエネルギーが低下すると、
感情や思考の働きも低下してしまいますが、
それをノルアドレナリンの活性化によって補おうとするわけです。
しかし、ノルアドレナリンが活性化すると、
普段は表に出さないようにしている感情や思考までもが、
どんどん外に出ようとする力が働いてきます。
うつ病の人が、不眠症を訴えたりするのも、
このような余計な感情や思考が浮かんできて、
睡眠を妨げるからです。
同時に、情緒不安定になったり、
男性ならばイライラする事が増えてきたり、
女性ならばすぐに泣いたりしてしまいます。
これらはセロトニンの低下、及びノルアドレナリンの活性化により
引き起こされる症状です。