人間はストレスを受けると、ストレス中枢である視床下部に刺激を与えます。
その結果、セロトニン神経のインパルス頻度を低下させてしまい、
セロトニン量そのものを減少させてしまいます。
つまり、ストレスが溜まると、
それによってセロトニンの分泌量そのものが減少し、
慢性的なセロトニン不足が生じ、セロトニン神経の機能が低下してしまう、
という事になります。
また、慢性的なセロトニン不足になると、
受け手となる受容体の数を増やして、不足しているセロトニンを
多く受け取ろうとしますが、もともとのセロトニンの量が不足している為、
効果は上がりません。
こうして脳内のセロトニン量が慢性的に不足する事になり、
脳内の活動が全体的に低下して、うつ病を引き起こしてしまいます。
現代社会で問題になっているのは、
ストレスなどによる生活習慣が原因で起こる後天的なうつ病です。
いわゆる心の風邪といわれるような比較的軽度のうつ病です。
現在の日本でこうした軽いうつ病を患っている人の数は、
およそ300万人とも言われていますが、統計を取ることは難しいので、
実際にはもっと多くいるのかもしれません。
今増加傾向にあるうつ病は、不規則な生活やコンピュータ漬けの生活、
人間関係のトラブルや過剰なストレスなどの
現代社会特有の問題に起因しています。
つまり、うつ病は生活習慣病ともいえます。
ですので、生活習慣病というのならば、生活習慣を改善すれば
うつの症状は改善するという事でもあります。