引き続き、自律訓練法のやり方、今回が最後です。
「訓練の方法」
⑤第5段階—お腹の温かさを暗示する
お腹の中にある胃、肝臓、腎臓などの働きをコントロールする、
自律神経のある場所に神経を集中します。
具体的には、みぞおちと、ヘソの真ん中あたりと、
お腹と背中の中間あたりの両方が交わるあたりです。
手をお腹の上にのせて、
「気持ちがとても落ち着いている」
「両手両足が重たくて温かい」
「心臓が静かに鼓動している」
「楽に呼吸している」
と暗示してから、
「お腹が温かい」
「お腹が温かい」
と繰り返し、暗示を与えます。
⑥第6段階—頭部に涼感を与える
昔から頭寒足熱が健康に良いとされていますが、
最後に、頭部に気持ちいい涼しさを暗示して、訓練法の仕上げにしています。
額のあたりに心地良い涼風が吹いている様子をイメージしながら、
「気持ちがとても落ち着いている」
「両手両足が重たくて温かい」
「心臓が静かに鼓動している」
「楽に呼吸している」
と暗示してから、
「額が涼しい」
「額が涼しい」
と繰り返し、暗示を与えます。
以上が、自律訓練法の全てです。
一通り終わったら、
まず、目をそっと開き、両手、両足を軽く屈伸し、
深呼吸をし、さらに首を左右、前後に曲げ、
静かに呼吸を整えて終わります。
一度に全てを覚える必要はありません。
一段階ずつゆっくり覚えていけば良いです。
やっている事も、決して複雑な事をしている訳ではない事が
お分かりになると思います。
誰でもできる単純な工程の繰り返しです。
慣れてくれば、十数分程度で全工程を終了できるでしょう。
この方法をマスターすると、通勤電車やトイレの中で、
簡単に第1段階だけとか、第3段階だけとか、気軽に実行できるようになり、
徐々にストレスを感じにくい自分に変えていくことができます。
この訓練法は、できれば毎日行うのが望ましいですが、
全工程を無理にやる必要はなく、時間が空いたときとか、
ストレスを感じた時に、数分間だけでも試してみる事が大切です。
毎日少しずつでも続けて、3ヶ月間ほどやっていけば、
暗示のかけ方も分かるようになり、
ストレス耐性も高まっていく事を実感するでしょう。