次に、自律訓練法の実際のやり方を説明します。

この訓練法は、やり方が標準化され、パターン化されていますので、
誰でも簡単にどこでも行うことができます。

 

手順としては、第1~第6段階まで分かれています。

 

「訓練の方法」

①第1段階—手足の重い感じを暗示する

・利き腕に神経を集中し、利き腕の力を抜いていきます。
そして、「気持ちが落ち着いている」と心の中でつぶやき、
次に、「右腕(利き腕の方)が重たい、とても重たい。。。」と
繰り返しつぶやいて、暗示を与えます。

 

これを30~60秒ほど繰り返し、右腕の重たさを実感していきます。

 

・今度は、利き腕と反対側の腕で、先に行った暗示を
同じように繰り返します。

 

・深く、大きく深呼吸しながら、両腕に神経を集中し、
心がとても落ち着いている
両腕が重たい、とても重たい
と繰り返します。

 

・今度は、足で同じように「重たい」感じを暗示します。
まず利き足から始め、「心が落ち着いている
右足(利き足)がとても重たい」と
繰り返しつぶやいて、暗示を与えます。

 

30~60秒ほど繰り返し、右足の重たさを実感していきます。

 

・次に、反対側の足で、同じように重たい暗示を与えます。

 

・最後に、両足に神経を集中し、
心がとても落ち着いている
両足が重たい、とても重たい
と繰り返します。

 

ここまでが第1段階です。
重たい感じを意識して暗示を与える事になりますが、
最初はなかなか難しいかもしれません。

 

しかし、無理する必要はありません。
繰り返し行うことで、
「何となくそんな感じがしてきたかも」と
思える程度でも十分です。

 

 

 

②第2段階—温かい感じを暗示する

・利き手の指先に神経を集中し、
気持ちが落ち着いている」と心の中でつぶやき、
次に、腕をお湯の中につけているようなイメージを浮かべながら、
右腕が温かい、とても温かい。。。」と
繰り返しつぶやいて、暗示を与えます。

 

・次に、利き腕と反対側の腕で、
利き腕にした暗示を同じように繰り返します。

 

・深く、大きく深呼吸しながら両腕に神経を集中し、
心がとても落ち着いている
両腕が温かい、とても温かい
と繰り返します。

 

・今度は足で、同じように「温かい」感じを暗示します。
まず、利き足から始め、「心が落ち着いている
右足が温かい、とても温かい」と
心の中で繰り返しつぶやいて、
右足をお湯につけているようなイメージを浮かべ、
それを感じているという暗示を与えます。

 

30~60秒ほど繰り返し、右足の温かさを実感していきます。

 

・反対側の足で、同じように温かい暗示を与えます。

 

・最後に、両足に神経を集中し、
心が落ち着いている
両足が温かい、とても温かい
と繰り返します。

 

ここまでが第2段階です。
先に行った第1段階と、やっている事は全く同じで、
与える暗示が、「重たさ」から「温かさ」に変わっただけです。

 

こちらに関しても、
「何となくそんな感じがしてきたかも」と
思える程度でも十分です。

 

この後、第3段階~第6段階へと進みますが、
それは次回以降に説明します。