自分の考え方や行動をチェックしてみると、

「なぜ自分はいつもこんな風に考えてしまうんだろう」
「なぜ自分は同じことばかり繰り返すんだろう」

と、いつも似たようなパターンが現れるのに気付きます。

人間は生まれてから現在に至るまで、
さまざまな環境で育ち、さまざまな人と接してきて、
それによって、人格形成に影響するさまざまな体験をしてきました。

そうした体験がその人の性格を形作っている事は明らかですが、
偏った体験ばかりしていると、
やはり、偏った性格になってしまう危険性もあります。

偏った性格になると、考え方や行動も偏ってきてしまい、
それが悪い方向へ表面化すると、

「なぜ自分はいつもこんな風に考えてしまうんだろう」
「なぜ自分は同じことばかり繰り返すんだろう」

となってしまう訳ですね。
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人間は誰でもその考え方に “癖” があるものですが、
うつ病の患者さん、もしくは、うつ状態になっている人には
2つの特徴的な考え方の “癖” があります。

それらは、
「自分は愛されない人間だ」
「自分は無力だ」

と考えてしまう癖です。

自分は愛されない人間だ

例えば、恋人から数日間電話がかかってこない場合、
「やっぱり私は嫌われたに違いない」
という考え方の癖が現れてきます。

あらゆる現実を、
「自分は愛されない人間だ」
というニュアンスで解釈してしまいます。

その為に、些細な出来事でも気持ちがひどく落ち込んでしまいます。

この「愛する」「愛されない」という表現は、
人との関わり合いの中での自分の評価の事を指していて、

「自分に興味を持つ人はいない」
「自分は嫌われている」
「自分は人に認められていない」

というニュアンス全般の事を言います。

逆にその人が
「自分は多くに人に愛される人間だ」
という考え方の癖を持っていたら、上記のような状況に直面したとしても、
「最近、彼(彼女)は忙しいんだろう」
と思うだけで、心が動揺したり、落ち込んだりする事はないでしょう。

自分は無力だ

例えば、商談中に取引先の相手が少し難色を示しただけで、
「もうだめだ。この話はうまくいくはずがない」
という考え方の癖が現れてきます。

あらゆる現実を
「自分は無力だ」
というニュアンスで解釈してしまいます。

その為、相手に対して及び腰になったり、
チャンスが目の前にあってもそれを生かす事ができなくなってしまいます。

逆にその人が
「自分は能力がある」
という考え方の癖を持っていたら、上記のように相手が難色を示したとしても
「まだ相手はこの話をよく理解していないだけ」
と思うようになり、より積極的に商談を進めるでしょう。
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考え方の癖は修正するのではなく、事前に自覚できる事を目標に

考え方の癖は、そう簡単に変えられるはずはありません。

ですから、自分にとって好ましくない考えが表面化しても、
「なんで自分はいつもこんな風に考えてしまうのか?」
と嘆いたり、無理に変えようとするのではなくて、
その考え方の癖を事前に気づき、
それが現在の自分なのだと受け止めてあげた方が良いでしょう。

その上で少しずつ修正していうようにするのが、
現実的で健康的で無理のない対処法といえます。

「自分は愛されない人間だ」という考えの癖に気づいたら、
「自分の誠実な性格は、思っているよりも人に好かれる要素かも」
というように考えるようにします。

また、
「自分は無力だ」という考えの癖に気づいたら、
「自分は人一倍努力したから、自信を持っても良いのでは」
というように現実に即した適切な考えに修正していくようにします。

少しずつでいいんです。

ちょっとだけ自分の心の中を監視して、
その偏った考え方の癖に気づいたら、それを受け止めて、
少しずつ修正するようにしていきましょう。