外部からストレスを受けた場合、
それにより人間の心と体は、すぐにダウンしてしまうわけではありません。

 

ストレスに対抗する反応を体内で示し、通常の範囲内なら
持ちこたえることができるようになっています。

 

これは、外からストレスが加えられた場合、
それを押し戻そうとする力が内部から働くからです。

 

しばしばストレスをゴムボールに例えて表現しますが、
ちょうどゴムボールを指で押した時に、
ゴムボールが凹むと共に、内部の気圧が上がって、
元の形に戻ろうとする状態に似ています。

 

このゴムボールの例えのように、
ストレスが継続的に加わっている場合は、
体のほうでも抗ストレス反応を持続的に示し、
一定のバランスを維持しようとします。

 

これを自律神経系の反応で見てみると
交感神経の働きが優位になっていきます。

 

つまり、脳の中にある視床下部という場所がストレスを受け止めると、
そこから自律神経の中枢に情報が伝わって、
交感神経系から全身の臓器や血管に命令が下り、
血圧を上げたり、心拍数を高めたりする反応が生じます。

 

それに加えて、交感神経を介して、副腎髄質からノルアドレナリンが分泌されます。
ノルアドレナリンは、強い覚醒の力があり、集中力、記憶力を高める働きがあり、
それにより、人間の興奮性を高めて、ストレスに立ち向かう力となります。

 

こうした抗ストレス反応を体の内部で起こす事で
外から加わるストレスという圧力を内側から押し返し、
バランスを取っているわけです。