自律神経失調症の薬物療法においては、
体の症状を治す薬と心の状態を治す薬が使われます。

 

例えば、胃や腸の働きを整えたり、血圧を下げたり、
身体的な症状が出ている場合は、そうした症状を改善する薬が使われます。

 

それ以外にも、自律神経調整薬という薬も使われます。

 

これは、自律神経の抹消に作用して、交感神経と副交感神経のバランスを整え、
機能の安定を図る薬です。

 

身体症状が比較的軽い場合や、体質的に自律神経のバランスを崩しやすい人に
よく用いられます。

 

また、心の状態を治す薬には、抗不安剤が用いられます。

 

これは精神安定剤とも呼ばれていて、喜怒哀楽などの感情や本能的な欲求を
司っている大脳辺縁系に作用して、緊張や不安を和らげる効果があります。

 

患者さんによっては、自分の症状について必要以上に不安に思ってしまい、
それが症状のさらなる悪化を招いてしまっている場合もありますので、
そうした時に使われます。

 

副作用としては、眠気や倦怠感などが出る場合もあります。

 

それから、抗うつ剤も用いられる事もあります。

 

抗うつ剤は、通常はうつ病の患者さんに用いられる薬ですが、
自律神経失調症の場合でも、意欲や行動力の低下など、
抗うつ感が強く出ているケースもありますので、そうした場合には用いられます。

 

抗うつ剤には、このブログでも紹介しているように幾つかの種類があり、
症状にあわせて使い分けることになります。

 

どの薬を服用する場合でも、最初は少量から始めて、
徐々に増やしていくことになりますので、
効果がすぐに現われるとは限りません。