私の場合、一人暮らしで、家族が遠方に住んでいた為、
精神病院へ行くときは、もちろんひとりで行きました。
今振り返ってみると、それほど重病でもなかったので、
ひとりで通院することに特に問題はなかったのですが、
うつ病の症状がある程度重い患者さんの場合は、
家族に付き添ってもらった方が安心です。
なぜかというと、幾つかの理由があります。
1.病院への行き帰りでの自殺や事故を防ぐ為。
2.重度のうつ病になると、言葉がうまく出なかったり、
自分の思っていることを正しく伝えられなくなることもあり、
患者さんの日常生活をよく知っている家族が、
正しい情報を医師に伝える必要がある為。
3.治療をスムーズに進めるには、患者さん本人に伝えるだけでは不十分で、
家族も一緒になって医師の説明や指示を受けて、
みんなで同じ情報を共有して、正しい治療方法を確認する為。
1.の場合、
うつ病の症状が重くなると、周りの状況が正しく判断できなくなったり、
認知が歪んでしまう患者さんもいます。
そういった患者さんを1人で放っておくと、
思いもよらぬ行動を起こす場合もあります。
病院への行き帰りは、
自分がうつ病であることを強く意識する時でもありますので、
重度の患者さんの場合は、家族に付き添ってもらった方が安全です。
2.の場合、
やる気が出ない、言葉が出ない、何も考えられない、というのは
うつ病患者さんには多くみられる症状です。
家族の方がサポートして、医師と意思疎通をしておくことが
正しい治療をする為には必要となってきます。
3.の場合、
医師から、
「何もしなくて良いです。1日中横になっていてください」
と指示されたとしても、それを家族が聞いていなかったら、
「こんなダラダラして本当に治るのか?」
と疑問に思ってしまうかもしれません。
それでは治療の妨げになりかねませんので、
家族も同時に説明を受けて、治療方法に疑問を感じたら
医師に確認するようにしておきたいです。
以上の理由から、通院の際には家族が付き添うようにした方が良いといえます。