人間が生きていく中では、さまざまなイベント、節目などの
環境の変化に出会うものです。
そうした環境が変わるときには、誰でもストレスを感じます。
例えば、
入学、卒業、就職、転職、転勤、昇進、退職、
結婚、離婚、妊娠、出産、転居、離別、死別、
などなど。
環境の変化は、その人が好むと好まざるとに関わらず、
どうしてもやってきます。
そして、今まで馴染んできた環境、人間関係から離れる寂しさ、
新しい環境でうまくやっていけるかどうか、ちゃんと適応できるかどうか
という不安は、全てストレスとなります。
もしも、環境の変化に対応できなくて、
ストレスが溜まっていくと、うつ病になる可能性も大きくなります。
環境の変化では、その人の心理的な状況によって
3つのタイプに分けることができます。
1.明らかに望ましくない変化
身近な人との離別、死別や会社での左遷やリストラなど。
自分にとって明らかに望んでいない環境の変化の場合は、
ストレスはより一層強いものとなり、うまく順応していかないと、
うつ病を引き起こしやすくなります。
2.社会的には望ましい変化でも本人には合わない変化
希望した会社への就職や実績が認められての昇進など。
自分が望んでいたはずの変化でさえ、
それがうつ病のきっかけになり得ます。
例えば、職場で昇進したあとに「昇進うつ病」にかかってしまう人もいます。
昇進自体はとても名誉な事であり、
本人にとっても嬉しい事と分かっていても、
これから責任が重くなることへの不安や負担、
以前のように気楽な気持ちで仕事ができないことが
ストレスとなってうつ病になってしまうものです。
3.望ましい変化でも多大な心身のエネルギーを要する変化
結婚、出産や新築した家への転居など。
大きな変化を乗り越えて、ストレスの原因となっていたものが
解消された途端にうつ病になることもあります。
例えば、新築の家に移転して落ち着いた頃に、
「引越しうつ病」になってしまう人もいます。
新築への引越しは、その人にとっては一大イベントであり、
何年もかけていろいろ準備をして、ようやく叶った環境の変化です。
引越しの計画、準備、作業などをしているときには
気が張っているので、ストレスを受けていても乗り越える事ができましたが、
いざ全てが終わってみると、達成感と共に気持ちの脱力感なども襲ってきて、
それが原因でうつ病になってしまう人もいます。
環境の変化は誰にでも起きます。
それを上手に乗り越えて、ストレスを管理できるように
自分の心の変化には、常に注意を向けるようにしましょう。