自律神経失調症として現れる様々な症状は、
ほかの病気でも、よく似た症状が現れる事が少なくありません。
ですので、自律神経失調症と診断される為には、
・自律神経の失調症状が見られること
・その症状が別の病気によるものではないと確認できること
この2点が前提条件となります。
例えば、めまいや立ちくらみが頻繁に起こるような場合、
自律神経のバランスが乱れている事が原因で、
姿勢の変化や体の動きの変化に、血管の収縮反応がうまく対応できないために
引き起こされる事があります。
しかし、こうした症状は、鉄欠乏性貧血でも現れます。
どちらが本当の原因なのか検査してみないと分かりません。
ですので、このように他の病気が原因となっていないか、
鑑別する検査が必要となります。
その為に、病院の検査ではまず、症状の原因となるような器質的な異常や
精神障害の有無を調べる「除外診断」というものが行われます。
患者さんの症状にあわせて、脳波検査や心電図、レントゲン撮影、
CTスキャン検査、MRI検査、血液検査などが実施されます。
こうした様々な検査を受けて、
身体的にも精神的にも明らかに特定の病気と診断されるような異常が
認められない場合に、次のステップとして
「自律神経機能検査」が行われます。
自律神経機能検査にも、いろいろな検査方法があり、
立位心電図試験、シュロング起立試験といわれるものがあります。
また、こうした検査以外にも、
抑うつ状態を調べるテスト、ストレス耐性を調べるテスト、
性格傾向を調べるテストなど、さまざまな心理テストも行い、
総合的に判断して、最終的な診断が下されることとなります。