不定愁訴という言葉を聞いた事がありますでしょうか。
あまり馴染みのない言葉ですね。

 

私もうつ病について勉強する以前は聞いた事がありませんでした。
おそらく精神的な病気に関する知識のない人は
ほとんど知らないでしょう。

 

不定愁訴とはどういった症状をいうのかというと、
これといった原因は分からないが、何となく憂うつである、
気分がすぐれない、体の調子がはっきりしない、
といった症状を日常的に経験する事です。

 

別の言い方をすると、
明白な器質的な疾患がみられないのに、
さまざまな自覚症状を訴える状態

とも言う事もできます。

 

ある特定の症状にずっと悩まされることもありますし、
いろいろな症状が入れ替わり立ち代り現われることもあります。

 

不定愁訴の原因は何なのかは、今でもよく分かっていません。
自律神経失調症であるとも言われていますが、
それだけではない場合もあります。

 

身体的な異常が見られないだけに、
なかなか原因を特定するのは難しいようです。

 

しかし、これが中年以降の人に、初めて現れた症状であれば、
主に老化に伴う肉体的変化がその原因である、と推察する事もできます。

 

いわゆる更年期が原因であるとも言えます。

 

更年期は女性だけのものと思っている人も多いですが、
実は男性にもあります。

 

女性は閉経という目だったターニングポイントがありますので、
分かりやすいですが、男性にはそうした身体的な変化がないうえに、
更年期の症状としてもあまり目立った特徴がありません。

 

よく言われるのは、男性の更年期には
女性の場合と同じく、何となく憂うつであったり、
我慢する事ができず、すぐに怒り出したり、イライラしたり、
逆に、妙にふさぎ込んだり、といったうつ病に似た症状も見られます。

 

そうした事で、初老期のうつ病などと間違われる事もあります。