特に理由も無いのに体がだるい、頭痛や肩こりがとれない、
便秘と下痢を繰り返す、といった体調不良に悩まされている人も多いです。
そして、病院に行って、血液検査やレントゲン検査などをするのですが、
特に異常が見られないというケースも少なくありません。
一般的にはこのような場合に、自律神経失調症と診断されます。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、
この2つが相反する働きをしながら、体の機能をコントロールしています。
ところが何らかの影響でこのバランスが崩れてしまうと、
体のコントロールがうまく制御できなくなり、
さまざまな症状が現われることになります。
自律神経失調症とは、医学的には機能的な病気、
つまり、体の臓器や器官の機能がうまく作用していない状態と
認識されています。
例えば、赤血球が減った為に貧血を起こす、といった臓器や器官に
ハッキリとした異常が見られる器質的な病気ではありません。
その為に、検査をしてもどこにも異常が認められないという結果になります。
別の例では、立ちくらみがする場合などは、
血液が薄くなっているなどの器質的異常も原因になりますが、
それ以外にも、姿勢が変化する時に、
血管を収縮させて血圧や脈拍を一定に保つコントロール機能が
正常に働いていない時にも、同様の症状が現われる事があります。
そこで検査をして器質的な異常が認められない場合は、
機能的な病気、つまり自律神経失調症と診断されるわけです。
自律神経のバランスや機能の働き具合などを
検査で客観的に測定する事は難しいとされていますが、
症状があるからには何らかの機能的な不具合が起こっていると考えられ、
それを自律神経失調症という総称で呼んでいます。