うつ病の治療の基本は、抗うつ薬の服用と休養をとることですが、
それ以外の新たな治療法として、「食事」が注目されています。

 

先週NHKで「うつを食事で改善する」というテーマで
うつと食事の関連、うつ予防に効果的な食事法などが紹介されていました。

 

興味あるテーマでしたので、どういう内容だったのか
概要を説明したいと思います。

 

うつになると不足する栄養素というのが、
最新の精神栄養学の研究でわかってきており、
うつ病患者さんに対して、栄養指導を行うことで、
症状が改善する事例が相次いでいるそうです。

 

つまり、栄養のアンバランスが、うつを引き起こす一因ではないかと、
考えられるようになってきているとのことです。

 

そこで、寝つきが悪い、やる気が起きない、などの
軽いうつ症状が見られる女性の方を対象に
血液検査で栄養状態を調べ、毎日の食事内容も調べてみたところ、

・葉物野菜の摂取量が非常に少ない
・インスタント食品やジュースばかり
・そもそも食事量が少ない

などの偏りがある方ばかりでした。

 

こうした偏りのある食生活を改善する事により
症状も改善する結果となっています。

 

そこで、うつ病になると不足しがちになると判明した栄養素というのは
以下のようになります。

【ビタミン・ミネラル類】
・ビタミンB1,B2,B6,B12
・葉酸
・鉄
・亜鉛

【脂肪酸類】
・ドコサヘキサエン酸(DHA)
・エイコサペンタエン酸(EPA)

【アミノ酸類】
・トリプトファン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・チロシン

 

具体的な食材も幾つか紹介されていました。

・葉酸————ほうれん草、ブロッコリー、レバー、納豆
・ビタミンB6——赤身の魚、レバー、バナナ、納豆
・トリプトファン–バナナ、納豆、赤身の魚、チーズ、牛乳
・DHA/EPA———サバ、アジ、イワシなどの青魚
・鉄————–レバー、納豆、アサリ
・亜鉛————牡蠣、レバー

などです。

 

こうした食材をバランスよく摂取する事が推奨されています。

 

注意点としては、うつ改善に良いからといって、
あれもこれもと、摂り過ぎない事です。
あくまでもバランスよく摂取する事が大切です。

 

できれば、専門医に採血して分析して貰い、
栄養指導を受けると安心して取り組めるでしょう。

 

その他には、野菜を多く取ることが必要とされていますが、
では、野菜ジュースなどはどうかというと、
こうした流動体にしてしまうと、
「噛む」という行為がなくなってしまい、効果があまり期待できないとの事。

 

脳科学の研究では、噛む習慣がないと、前頭葉などで血流が上がらなくて、
「脳の活性化」という点では、あまり良くないらしいです。

 

つまり、「噛む」事が刺激になって、「脳の活性化」が高まり、
うつの改善につながるというわけです。