脳の働きは、今でも全てが分かっているわけではありません。
ほとんどブラックボックスのままです。
精神活動についても、脳についても、解明された事は、
ほんの一部だけにすぎません。
ただ、そうした中でも、脳の機能と感情の関係について、
急速にいろいろな事が見え始めてきたのも事実です。
その成果の一つに、
「うつ病は、脳そのものが傷ついたり、冒された訳ではなく、
脳内伝達物質モノアミンの一つのセロトニンが一時的に不足し、
脳の働きが低調になった状態である」
という事の発見があります。
この事実が分かった事から、
うつ病の治療は大きく前進することになりました。
不足していたセロトニンを抗うつ剤を使って補い、
劇的な効果を得られるようになりました。
昔から使われているのは、
三環系抗うつ剤と四環系抗うつ剤と呼ばれているものです。
三環系とか四環系という言葉は、
化学構造式のベンゼン核にある環の数からきています。
抗うつ剤の開発は、更に進んでいて、
SSRIやSNRIという新しいタイプもあります。