うつ病の原因には、脳内物質が深く関与しています。
人は、脳内の神経細胞(ニューロン)がそのネットワークを介して
情報を伝達することによって考えたり、感じたりしています。
脳内の大脳皮質には約150億個、小脳には約1000億個、
合わせて約1150億個にも及ぶニューロンが存在しており、
そのニューロンから、樹状突起という腕が出ています。
その先端にシナプスと呼ばれる部分があり、
そのシナプスから他の細胞の受容体に信号が伝わり、
信号を受け取った細胞はさらに次のニューロンに情報を伝える、
とうぐあいに、次々と他の細胞に情報が伝えられていきます。
このニューロンとニューロンの間には、
約2000万分の1ミリという僅かな隙間があります。
この隙間に神経伝達物質であるモノアミンが放出され、
情報を伝えていっています。
人間の感情や思考は、モノアミンが充分にあり、
神経間の情報伝達がうまくいっていれば、平常に保たれます。
しかし、モノアミンが不足すると、情報伝達に支障をきたし、
うつ病になりやすくなってしまいます。
このように、うつの原因として、モノアミンの不足を挙げているのが、
「モノアミン欠乏仮説」です。