普段そつなく仕事をこなし、優秀だと思っていた人が
急に優柔不断になったり、思考力や判断力、注意力が鈍った印象に
なったりした場合には、注意が必要です。
もしかしたら、その能力低下の背後には、
うつが隠れているかもしれません。
うつの特徴のひとつに、なんでも「自分が悪い」と
思い込んでしまう傾向があります。
普通の人なら、誰でも自分の事を大事に思っているものです。
例え、自分が明らかに悪い場合でも、
「タイミングが悪かったから」とか、
「もっと部下が資料をうまくまとめてくれてたら」とか、
心のどこかで自分をかばっているものです。
しかし、うつ状態の人は、自己弁護をしなくなります。
「こうなってしまったのは、自分の責任だ」とか、
「周囲に迷惑をかけてしまったのは、自分に能力がない為だ」とか、
考えてしまいます。
こうした考え方は、悪い方向へどんどん進んでいきます。
ついには、
「自分は中傷されている」とか、
「リストラ要員にあげられている」など、
根拠のない思いにとらわれ、被害妄想的な行動をとることさえあります。
これは社会生活における人間関係に対するバランス感覚が
崩れてしまっている為に引き起こされる症状です。
「自分がいなければ会社はもっとうまくいくのでは?」とか
「自分は会社のお荷物になっているのでは?」など、
強い自責の念が見られたら、うつ病を疑ってみた方がよいです。