仕事中でも家庭内でも、どこかのコミュニティーに属しているならば、
必ず自分以外の人間とコミュニケーションをとらなければいけません。
しかし、そのコミュニケーションの方法が不適切だと、
対人関係上の問題、トラブルも起こりやすくなってしまいます。
また、相手との間に小さな行き違いが生じただけでも、
それを解消するのが困難になる事もあります。
もちろん、コミュニケーションの仕方は、人それぞれ個性があって当然で、
どれが正解なんていう明快な答えがあるわけではありません。
相手との親密度、上下関係、時や場所において
コミュニケーションというのも、いろいろと使い分けていく必要がありますが、
今回は、よく見られる間違ったコミュニケーションパターンを挙げていきます。
1.言葉にしない非言語的表現
自分にとって気に入らない言動があった時などに、
自分の気持ちを言葉で表現する代わりに、
「ため息をつく」「すねる」「嫌な顔をする」
などの、態度や身振りで
相手に自分の気持ちを分かってもらおうとするパターンです。
こうした非言語的コミュニケーションだけでは
自分の気持ちを相手に正確に伝える事はできません。
「自分の気持ちを理解してくれない」
と相手に不満を感じる場合は、キチンと言葉で伝えるようにしましょう。
2.相手に気を遣いすぎの遠回し表現
相手に対して何か言いたい事があっても、
「こんな事言ったら、相手が気を悪くするのではないか」
と考えてしまうために、遠回しな言い方になり、
結局、相手に自分の本心が伝わっていないパターンです。
うつ病の人は特にこのパターンが多いです。
「もしかしたら、~~という事も有り得なくもないですね」
「~~かもしれない可能性もあります」
「~~と思う人も多少いらっしゃるような気もします」
曖昧な言い方だと相手にこちらの意見が伝わらず、
そこにギャップが生まれて、後々苦労する羽目に陥ります。
対人関係を損ねない為には、過度な間接的表現は控えましょう。
3.相手に伝わっているはずという間違った憶測
自分が口に出して言わなくても相手は分かっているはずだ、
と勝手に思い込んでしまうパターンです。
日本人の場合、「阿吽(あうん)の呼吸」と表現されるように、
コミュニケーションを省略する場合もありますが、
それが悪い方向へ解釈されると、自分一人だけがそう思い込んでいるだけで、
相手には何も伝わっていないケースも有ります。
となると、相手からは期待した反応が返ってこない為に、
そこで怒りや欲求不満が募っていき、
うつ病へとつながっていく事も考えられます。
4.対立を恐れての沈黙
相手と対立する事を恐れて何も言えなくなったり、
「これ以上何を言っても分かってもらえない」
「どうせ何も変わらない」
とコミュニケーションを諦めてしまうパターンです。
こうした沈黙というのは、自分の気持ちの抑え込み、
そして、対人関係の打ち切りと解釈され、
一番やってはいけない対応策です。
いつまでたっても前に進む事ができず、
自分の中で堂々巡りをしているだけとなり、
こうした沈黙を多用していると、ストレスを溜め込むことになり、
やはりそこから、うつ病へと悪化する危険性もあります。
以上、4つのコミュニケーションパターンは
うつ病に限った事ではなく、誰でも陥りやすい傾向にあり、
対人関係のトラブルやストレスの元にもなりやすいパターンでもあります。
もしも、対人関係でトラブルが生じた時には、
上記のような間違ったコミュニケーション方法をとっていなかったか、
振り返ってみて、できるだけ修正するようにしましょう。