うつ病というのは、その病気の性質上いろいろと誤解される事が多いです。
例えば、うつ病自体を病気ではなく、
「その人の性格的なもの」と捉えてしまう人が多いです。
うつ症状を見せている人を、
「落ち込みやすい人」「怠け癖がある人」と
決めつけてしまう、というものです。
これは、病気の発見を遅らせ、
結果的に症状を重くしてしまう危険性があります。
うつ病以外にも、視線恐怖症や赤面恐怖症といわれるものがありますが、
これらもかつては、「その人の性格」として、ひとくくりにされていました。
ところが、そうした人に、SSRIという、
うつ病治療でも用いられる抗うつ薬を投与すると、
症状が改善し、最終的には抗うつ薬なしでも、
そうした症状が起きなくなるケースもあるそうです。
つまり、その人の性格的なものと思っていた症状が
実は、社会不安障害という病気によるものであることもあります。
社会不安障害とは、英語では、Social Anxiety Disorderといわれ、
その頭文字をとってSADと呼ばれることもある精神疾患の事で、
人前で話をしたり、人と関わりのある場面になると極度に緊張し、
不安や恐怖を感じ、それにより社会生活自体に大きな支障をきたす病気です。
性格ではなく、病気だという認識を持ち、
きちんと治療したことで、苦しみから解放される事もあります。
本当は病気なのに、周囲も、そして自分自身も性格的なものだと
思い込んでいて諦めてしまっている。。。
こうした隠れた事例が、現代のストレス社会では非常に多いと
指摘する精神科医もいます。