うつ病にかかりやすい人、もしくは既にうつ病にかかっている人は
物事を否定的・悲観的に考える思考パターンになっている人が多いです。

これは専門的には「認知のゆがみ」と言われているものですが、
思考パターンというのは、
その人の生まれ育った環境によって長い時間をかけて形成されたものなので、
自分ではなかなか変える事ができないですし、
自分では思考パターンが歪んでいるとは認識できていないケースも多いです。

以下にうつ病特有の思考パターンを載せておきますので、
もしも自分自身、そして家族にこのように考えてしまうクセを
持っている人がいるのかどうか、
もしくは、最近このように考える傾向が強くなった人がいるのかどうか、
注意深く観察するようにして下さい。
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恣意的推論

十分な根拠、確信できる根拠があるわけでもないのに、
物事を悲観的に捉え、自分勝手に推測して判断する事を指します。

例えば、
上司の機嫌が悪いだけで、自分の仕事の出来が悪いからだと決めつけたり、
夫が夜遅く帰ってきただけで、浮気していると早合点したり、
医者が難しそうな顔をしただけで、不治の病にかかっていると勘違いしたり、
する事です。

何の根拠もなく悪い方向へ考えてしまいます。

二分割思考

全ての出来事を○か×、白か黒、全か無、善か悪、というように
両極端に分けて考えてしまい、中間という発想ができない状態です。

ある仕事を終えた時に、一つでも満足できない事があると、
全てが失敗だと決めつけるような完璧主義の考え方です。

拡大視・縮小視

自分の失敗や欠点といった悪い事は大げさに捉える反面、
自分の成功や長所といった良い事は過小評価します。

それに対して、
他人の失敗や欠点といった悪い事には寛容で、
他人の成功や長所といった良い事には極端に過大評価します。

自分と他人とでは判断基準が全く違っている状態です。

自分のちょっとした失敗は “取り返しがつかない大事件” であり、
他人が同じミスをしてもそれは “とるに足らない事” と捉えます。

また、
自分が成功しても “とるに足らない事” であり、
他人が同じ成功をすると “もの凄い事” と捉えます。

極端な一般化

たまたま一つ悪い出来事が起こっただけで
「全てがこうなる」と思い込んでしまう状態の事です。

例えば、仕事で一度失敗しただけで、
「自分は何をやっても必ず同じような失敗をする」
と思い込んだり、
人から一回注意されただけで、
「自分はいつも相手を怒らせてしまう」
と決めつけてしまいます。
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上記のような否定的・悲観的な思考パターンは
本人にしてみれば当たり前の思考パターンかもしれませんが、
他人からすると、非常に違和感のある考え方に映るケースも有ります。

もしも家族にこのような「認知のゆがみ」が見られたら、
うつ病、もしくはうつ病になりやすい性質を持っているかもしれませんので、
注意した方がよいでしょう。