うつ病の治療にはSSRIなどの抗うつ薬を用いるのが基本ですが、
患者さんの症状によっては、別の薬を併用する事もあります。

今回は、抗うつ薬以外でどのような薬が用いられるのか、
代表的なものを幾つか紹介したいと思います。

抗不安剤

患者さんによっては、自分がうつ病になってしまった事で、

「これから仕事をどうやって続けていけばよいのか」
「本当にうつ病を克服する事ができるのか」

など、自分の将来に対して悲観的になってしまい、
焦りや不安で精神的に参ってしまうケースも有ります。

そのような時には、抗不安剤を用いる事で
不安・焦燥感を和らげて、体の緊張も解きほぐす事ができます。

うつ病そのものを治す効果はありませんが、
不安感が強い時に、一時的に用いる場合もあります。

このような抗不安剤は、副作用がほとんどないですが、
精神的に依存しやすくなりますので、
必要以上に長期間にわたってダラダラと飲み続けないように
注意しなければいけません。
ID-100157605

睡眠薬

うつ病の症状の一つに不眠があります。

不眠状態が続くと、うつ病の治療にも悪影響が出てきますので、
そのような場合には、睡眠薬を併用するケースも有ります。

睡眠薬というと、世間的には割と一般的なイメージがありますが、
実際には、依存性も副作用もあり、取扱に注意しなければいけない薬です。

服用を急に中断すると、不眠症状が再発したり、
時には以前よりも、もっとひどい不眠症状を招く危険性もあります。

また、服用を続けていくと、精神的な不安感が増していく場合もあります。

あくまでも一時的な服用にとどめておくべきです。
ID-100190261

漢方薬

うつ病の症状が比較的軽く、精神的な症状よりも身体的な症状の方が目立ったり、
または、抗うつ薬の副作用が強く出てしまい、服用が続けられない時には、
漢方薬だけで治療する場合もあります。

また、患者さんの症状によっては、抗うつ薬の副作用を抑える目的で、
あるいは、治療効果を高める為に、抗うつ薬と漢方薬を併用する事もあります。

抗うつ薬の副作用が気になる患者さんの中には、
「漢方薬だけで治したい」と希望する方もいらっしゃるようですが、
うつ病の症状が重い場合、漢方薬だけではその効果は
あまり期待できないかもしれません。

以上、うつ病治療に用いられる、抗うつ薬以外の代表的な薬を紹介しました。

どのような薬を処方されたとしても、医師からの説明を受けて、
その効用や副作用について、自分で理解したうえで服用するようにしましょう。