「感覚遮断の実験」という心理学では有名な実験があります。
これは、音も光も全く入らないような部屋に被験者を長時間閉じ込めて、
その様子をモニターするという実験です。
時には、ベッドに寝かせたまま、耳栓をして、アイマスクをして、
部屋を暗くして長時間そのままにしておくそうです。
普段仕事で忙しく、毎日残業で自分の時間も取れないような多忙な人を
このようにな実験に参加させたらどうなると思いますか?
最初のうちは、どの被験者も安心してぐっすり眠る事ができるそうですが、
そのうち落ち着きがなくなり、部屋の中をうろうろ歩き回ったり、
最後には叫び出す人もいるそうです。
個人差はありますが、実験の結果、
多くの人は100時間以内に幻覚まで見るほどになります。
この実験から分かるように、人は静かな環境に1人でポツンと置かれると、
それがかえってストレスになってしまいます。
そういう孤独な環境では、過去の失敗や嫌な経験が次々に頭の中をよぎっていき、
自分の内面に向き合わざるを得なくなります。
そうなると余計に不安が増してしまい、ストレスが溜まり、限界を超えると
幻覚まで見るようになります。
ひとりでいる方が好き、ひとりになりたいと思っている人も多いですが、
そういう人でも、目や耳から全く刺激が入ってこない生活を
望んでいるわけではないはずです。
常に何かしらの刺激を受け続けていないと耐えられないはずです。
最大のストレスは「孤独」ともいえるんですね。