呼吸というのは、起きている時でも、寝ている時でもしており、
自分で意識的にできますし、無意識のうちにも行っています。
これは、呼吸器系が自律神経系だけでなく、
運動神経系の支配も受けているからです。
もちろん私たちは、睡眠中をはじめ、大半の時間は
呼吸をしていることを意識していません。
例えば、血中の二酸化炭素がわずかに増えれば、
呼吸が活発になったり、ため息をついたりして、
血中の酸素と二酸化炭素が常に一定の範囲に保たれるように
自律神経系が働いてくれます。
しかし、ストレスで緊張状態になったり、疲れが溜まったりすると、
自律神経によるこの自然な調整がうまく機能しなくなり、
さまざまな症状が現われてきます。
その一例を挙げると、過呼吸症候群という症状があります
これは、突然息苦しさを感じて、呼吸が浅く荒くなる症状です。
いくら呼吸をしても空気が足りないと感じたり、
力を入れないと空気が吸えないような気がして、
呼吸の仕方がより激しくなってしまいます。
しかし、そうした呼吸を続けていると、
血液中の二酸化炭素の量が減って、血液がアルカリ性に傾いてしまう為、
ますます息苦しさを感じてしまい、さらに呼吸が荒くなるという
悪循環に陥ってしまいます。
血液がアルカリ性になると、
頭がボーっとしたり、手足のしびれや脱力感に襲われ、
ひどい場合は失神や痙攣を起こす事もあります。
こうした症状は、ほとんどの場合
不安感、緊張感などの精神的ストレスが原因になっています。