食べ物の消化、吸収、排泄といった一連の消化活動は、
人間の意思によって行われるものではなく、
そのほとんどが体の自動調節機能行われています。
人間が意識的にできることは、
何を食べるのかを決めること、そして、それを噛むこと、
そして、それを排泄することで、
中間の過程は、食道、胃、小腸、大腸ならなる消化器系と
肝臓、すい臓などの臓器の働きで自動的に行われています。
その消化器系の調節を行ってくれているのが、自律神経で、
腸には腸神経系という中枢から独立した神経システムがあり、
それにより消化活動をコントロールしてくれています。
ですので、体内で行われる消化活動は自動的に行われていますが、
だからといって、人間の意識の影響を全く受けないかというと、
そういうわけでもありません。
人間の感情の変化は自律神経を介して、消化器系のシステムに
影響を及ぼしてくる事もあります。
たとえば、緊張や不安などのストレスに晒されると、
自律神経のバランスが乱れ、腸神経系のバランスも乱れてきます。
その影響で胃腸の粘膜の防御反応が低下したり、
食べ物を上から下へ送る消化管の収縮運動、いわゆる蠕動が乱れてしまう、
などのさまざまな悪影響が出てきます。
その結果、胃潰瘍や神経性胃炎、過敏性腸症候群などの症状が
現われてくるようになります。