うつの症状とよく似た心の障害もいろいろあります。

例えば、「気分変調」別名、不機嫌症といわれるものがあります。

些細な事で人に暴力を振るったり、傷害事件を起こしてしまう、
というニュースをたまに見かけますが、
いわゆる「キレやすい」人は、気分変調であることが多いです。

 

ちょっとしたことでカッとする、
何となくムシャクシャして無関係な人に八つ当たりするなど、
自分の感情をうまくコントロールできない状態に
なりやすい人のことをいいます。

 

また、これと似た言葉に、「気分変調性障害」というものがあります。

 

うつ病には、遺伝や素質的な要因で起こる内因性うつ病と
ストレスなどが原因で起こる反応性うつ病がある、ということは、
このブログでは何度もご紹介していますが、
最近では、内因性、反応性とはっきり分けられないうつ病が
増えてきています。

 

そこで、アメリカ精神学会では、内因性、反応性といった分類ではなく、
症状の重い軽いで分類しています。

 

日本を含む世界各国で使われている
DMSⅣ(精神疾患の分類と診断マニュアル)でも、
症状の程度にもとづいて、
大うつ病性障害」(重症うつ)か、「小うつ病障害」(軽症うつ)かを
診断するようになっています。

 

「気分変調性障害」とは、この分類の1つで、
軽いうつが2年以上続いている場合の事をいいます。