私達の周りには家族を中心にして、恋人や友人、親戚、
会社では、同僚、上司、部下、取引先相手、その他にも近所の人など
たくさんの人と関わっています。
その中では、相手が自分にとって身近で重要な人であればあるほど
コミュニケーションを大切にして、信頼関係を維持し、深めておくことが大切です。
しかし、日本人の場合、相手が身近であればあるほど、
「これくらい言わなくても分かってもらえるだろう」
というような阿吽(あうん)の呼吸を求めてしまい、
話し合う事を疎かにしがちです。
しかし、これではコミュニケーション不足に陥ってしまう危険性があり、
相手との信頼関係を損ねる要因にもなりかねません。
うつ病に最も強く影響を与えるのが人間関係のストレスですが、
特に、配偶者や恋人、親友といった「重要な他者」との関係が
うまくいっているかどうかが、うつ病の発症には大きく関わってきます。
誤解や意見の食い違いは話し合って解決
自分にとってそれほど重要でない人との間での誤解や意見の食い違いに関しては、
そのまま放っておいても問題はないでしょう。
しかし、家族や恋人、友人などの重要な他者との間では、
放置しておくわけにはいきません。
自分の気持ちを正直に伝えて早めに誤解を解いておく必要があります。
また、意見の食い違いに関しては、きちんと相手と話し合って、
どこが食い違っているかをお互いに認識しておく事が大切です。
この時には、自分の意見や価値観を相手に押し付けたり、
逆に、相手の意見や価値観に自分を無理矢理合わせる必要はありません。
どんなに仲の良い夫婦でも、どれだけ付き合いの長い友人でも
育った環境や性格というのは、当然異なっていますので、
意見や価値観が違ってくるのは、当たり前に有り得る事です。
それらを無理矢理合わせる事が重要なのではなくて、
お互いの意見の違い、相違点をお互いに理解して、
それらを共有し合う事が重要なんです。
話し合いをする時には、自分の考えを相手に十分に伝え、
わだかまりを残さないようにしましょう。
その為には、言葉を出し惜しみせずに何でも話し合う必要がありますが、
相手の立場を尊重する姿勢を見せる必要もあります。
例えば、
感情的になって自分だけが一方的に話すようなことは避けなければなりませんし、
相手の気分を害する言い方を避けなければいけませんし、
ため息をついたり、不満顔を見せないようにしなければいけません。
身近な人だからこそ、自分の気持ちを正直に話せるんですから、
最低限の礼儀を持って接するようにしたいですね。
今後、何か困難な問題に直面した時、手を差し伸べてくれるのは、
家族や親友といった「重要な他者」です。
その人たちとは信頼関係を深め、絆をもっと強めるようにしていきましょう。