ストレスを受けると、それに対抗しようとする力が生まれます。
ストレスへの抵抗力とも言えますが、
これはちょうど病原菌と免疫の関係に似ています。
体の中にウイルスや細菌が侵入してくると、体の免疫システムが機能し、
そのウイルスを撃退するような、より強い免疫力を発揮するようになっています。
ストレスについても同様で、適度なストレスが心や体に加わると、
それに対抗する力が強くなっていきます。
しかしこれも"適度な"という条件のもとでのことです。
自分の許容量を越えたストレスは、対抗できなくなることもあります。
例えば、普通の会社に勤めるサラリーマンが大きな病気をしてしまったり、
妻や家族、親族の死という不幸が襲ってきたとします。
これだけでも人によっては許容量を越えるほどのストレスでしょう。
しかしその直後に、人事異動や配置転換などの辞令が下った場合、
それが引き金になってうつ病などの心の病気が発症することがあります。
その人事異動や配置転換が、たとえ昇進などの嬉しい事であっても
それは本人にとっては耐え難いストレスと感じ取ってしまいます。
環境の変化に対して、どんな些細な事でも敏感になってしまっている状態です。
このため、出社拒否などのうつ状態になります。
「時間が解決する」とよくいわれますが、
精神的な傷の克服には、時間の経過がとても大きな要因となります。