現代の日本はストレス社会です。
人口の過密、核家族化や高齢化、情報化社会、競争社会など
社会状況は、ますます多くのストレスを生む環境へ変わってきています。
環境面でも、大都会の人ごみ、窮屈な住宅事情、自然の乏しさなどが、
精神的な圧迫というストレスを生み出しています。
また、コンピュータや通信手段の発達によって、
私たちは、必要な情報をどんなときでも瞬時に入手できる、
便利でスピーディーなシステムを作り出した反面、
溢れかえる情報に振り回されたり、仕事の効率アップについていけない、など
義務感やプレッシャーといった精神的なストレスを感じる事が
多くなってきています。
このような現代社会ならではのストレスは、増えるばかりで
その影響で自律神経失調症になる人が増えているのも事実です。
もともと人間の体には、ストレスに対する抵抗力が備わっています。
本来ストレスという言葉は、工学関係で用いられていた言葉で、
物に力を加えることをいいます。
例えば、ゴムボールを手で押すとへこみますが、
そのへこみを生む力をストレスといいます。
へこんだボールは、手を離せば直ぐに元の形に戻ります。
ストレスが元に戻る力を生んだともいえるわけで、
これをプラスのストレス反応という事も出来ます。
しかし、繰り返しゴムボールに圧力を加えたり、
強い力でずっと押し続けていると、
次第にゴム疲労が起こり、ゴムに弱いところが生じます。
そして、時間が経つにつれてゴムボールは抵抗力を失い、
へこんだままの状態になってしまいます。
この場合は、マイナスのストレス反応といえるでしょう。
このマイナスのストレス反応が人間の体の中でも起こっているわけです。