うつ病で休職している状態から、職場復帰する際に最も重要なのは
患者さん本人が職場復帰に対してどのように感じているか、です。
たとえば、患者さんが以下のようなことを想像してみます。
「朝7時に起きて、8時に家を出て、満員電車に乗って出社する」
「電車から降りて、会社までの道のりを歩いている」
「会社に着き、周りのみんなと挨拶を交わす」
「パソコンを起動して、メールをチェックする」
このような幾つかの場面を頭の中で想像した時に、
どのような気持ちになるかが問題です。
症状が回復し、精神的にも肉体的にも状況が整ってくると
「なんとかやれそうだ」
と感じる事ができますが、まだ回復が不十分な人だと、
「想像するだけで胸が苦しくなる」
「頭が痛くなってくる」
などの思いが先にたってくるでしょう。
後者の場合は、まだうつ病を克服した段階とはいえず、
復帰までには、もう少し時間がかかると考えた方がよいでしょう。
頭の中で復帰後の情景を思い描くということは、
自分の体に対して、「復帰できるかどうか」を
問いかける事でもあります。
素直に自分自身に問いかけ、
不安感がないことが仕事に復帰できるタイミングともいえます。