老年期の初期にうつ病にかかってしまうと、
周囲からすると、痴呆症と勘違いしてしまう可能性もあります。

 

例えば、物忘れがひどくなったり、自分の今いる場所が分からなくなったりと、
うつ病でも、痴呆症と同じような症状が現れてきます。

 

こうなると、家族も、そして本人も
とうとうボケが始まってきた
と思い込んでしまい、うつ病の治療が遅れてしまうケースもあるようです。

a0001_000356

うつ病による記憶力の低下は、本当の痴呆症とは違って、
きちんと治療を行えば、改善されるものです。

 

ですので、痴呆症と決め付けるのではなく、
うつ病の可能性も考えて、しっかりと両者を見極めなければいけません。

 

うつ病と痴呆症の違い

病院では、脳の画像診断を行ったり、記憶力検査などを行ったりすることで
うつ病と痴呆症を識別していきますが、家族の人でも次の2点をチェックすれば、
おおよその区別をつけることはできます。

 

自分自身で自覚があるかどうか

「私は痴呆症になったのではないか」
「記憶力が落ちたのではないか」

というように本人が自覚してる場合は、
痴呆症ではなく、うつ病の可能性が高いです。

 

痴呆症の人は自分が痴呆であることを自覚していないケースが多いです。

 

質問した時の答え方

「今日は何曜日ですか?」

というような簡単な質問をした場合、うつ病の人は、答えに自信がない為に、
「わかりません」
と答えたり、もしくは、答えることができないことで
「ごめんなさい」
と謝ったりします。

 

一方、痴呆症の人は、自分が痴呆である事に気づいていない事が多く
間違った答えを平気で言ったりします。

 

以上の2点を注意深く観察するだけでも、だいたいの区別がつくでしょう。

 

しかし、これらも絶対的な基準ではなく、あくまでも目安です。
痴呆症の人でも強い不安感を持っている人もいますので、
ある程度の目安がついたら、病院で診てもらうことも必要でしょう。