自律神経失調症はストレスが原因である場合が多いですが、
それとは別に、生まれつき自律神経が乱れやすいという、
身体的な特徴により症状が引き起こされる場合もあります。
これを、本態性自律神経失調症といいます。
乳児期に嘔吐や下痢を頻繁に起こしていたり、
熱が出やすかったり、乗り物酔いをしやすいなどの
症状が見られた人は、自律神経の自動調節能力が
もともと低い事が考えられます。
また、思春期や更年期のホルモン分泌の変動や気候の変化など、
さまざまな刺激に対して、普通の人より自律神経が過剰に反応して
失調状態に陥りやすい傾向にあります。
一般的に、虚弱体質、冷え性、低血圧、痩せ型、アレルギー体質などの人も
生まれつき自律神経のバランスを崩しやすい傾向が見られます。
このような人たちは、自律神経機能検査によって
ある程度の異常を発見できることがあります。
ストレスの大きさを測る心理テストなどを行い、
そうしたテストで問題がなく、
ストレスが発病にあまり関係していない場合は、
本態性自律神経失調症といってもよいでしょう。